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　　魏・蜀・呉の三カ国が覇権を争う壮大な「三国志」。あまたいる英雄のうちだれが好きかと問われれば、迷わず蜀の諸葛亮を挙げたい。志半ばで倒れた悲劇の軍師だ。だが熱心なファンの間では百人百様らしい▼「中国では曹操を推す人がとても多いですね」と話すのは、今夏、『三国志演義事典』を共著で刊行した仙石(せんごく)知子さん(48)。魏を率いた曹操はあくらつな計略家のイメージが強いが、中国では改革者として評価が高い。蜀の劉備は情に厚い指導者かと思いきや、あちらでは「大事な局面でメソメソ泣く敗者」と退ける声も珍しくないそうだ▼「決定的に違うのは、劉備を支えた武将の一人、関羽の存在感です」。日本でも高い人気を誇るが、中国では清代以降、国家の守護神としてあがめられてきた。関羽をまつる「関帝廟(びょう)」はいまも津々浦々にある▼仙石さんによれば、三国志の物語は、中国では文芸や京劇、映画を通じて老若男女に浸透している。日本でも、吉川英治の小説、横山光輝の漫画、NHK人形劇で知られる。両国で世代を超えて広く愛されてきた▼三国志から生まれ、両国で同じ意味をもつ故事成語も少なくない。「三顧の礼」「苦肉の策」「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」。挙げればきりがない▼折しも東京国立博物館で特別展「三国志」が開催中だ(16日まで)。曹操や劉備が戦火を交えた時代の弓矢や剣に見入る。中国からの客も多い。この歴史物語が1700年余の長きにわたり両国に下ろした根の深さを思う。

　　参考译文：

　　谁才是三国英雄

　　《三国志》中魏、蜀、吴三国争霸，场面十分壮观。在为数众多的英雄之中，要问喜欢谁，笔者会毫不犹豫地说出诸葛亮的名字。他是一位在三国志一半处就去世的悲剧军师。但一千个读者就有一千个哈姆雷特(热心的粉丝都有着各自的答案)。

　　“中国推曹操的人也有很多”。说这番话的是仙石知子(48岁)，她于今年夏天共同编著并发行了《三国志演义百科辞典》。率领魏国的曹操给人十分强烈的印象是一位阴险的策略家，但在中国作为改革者获取了很高的评价。笔者原以为她对蜀国刘备的评价是情深义重的指导者，没想到书中却认为刘备是“重大场合下懦弱哭泣的失败者”，而将其另当别论的声音也并不罕见。

　　“(与刘备)有